2016年から法政大学建築学科で教えられている北山恒先生をお迎えして、法匠セミナーを開催します。
江戸東京の都市分析から、ご自身の作品まで、幅広いお話が伺えることと思います。
皆さまお誘いあわせの上、ぜひお出かけください。
■日時 2018年6月7日(木)19:00〜20:30(開場18:40)
■場所 法政大学新見附校舎 A305教室(新宿区市谷田町2-16)
(建築学科のあるデザイン工学部校舎ではなく、お濠に面したビルですのでお間違いなく)
■入場料:無料 セミナー終了後、懇親会を予定しています。
■講演概要
法政大学では「江戸東京研究センター」を立ち上げた。そのなかで北山は東京近未来都市研究(Future City
Laboratory. Tokyo)」プロジェクト組織を担当する.そこで東京という都市の近未来のイメージを策定する.
江戸と東京を「江戸東京」というワンワードで見る視点が重要である.明治維新は1868年であるが,ジョルジュ・オスマンによるパリ大改造がナポレオン三世の退陣によって終了するのと同じタイミングであり,1871年のシカゴ大火を契機に経済活動を主とした現代都市類型が登場する直前である.
今年は明治維新後150年であるが,明治維新は日本という国家のシステムをヨーロッパ文明の社会システムに切り替えた切断面であり,この切断面によって鏡面のように江戸と東京を比較することもできる,と同時に,江戸と東京を横断する概念によって新しい都市文明のコンセプトが創造できる可能性がある.
2010年のヴェネチア・ビエンナーレで,「TOKYO
METABOLIZING」というタイトルを付けて,東京の絶え間なく生成変化を続ける粒状の都市組織を対象としたプレゼンテーションをおこなった.そこでは,生成変化し続ける粒状の都市要素で埋め尽くされる東京の木造密集市街地にこそ,この都市の未来をつくる可能性があるとするものである.木造密集市街地を構成する建物の平均寿命は26年ほどである.
明治維新以降,日本は近代化という産業を中心とした社会システムをつくってきた.その原理となるヨーロッパ文明が開発した資本主義とは拡張拡大を求める経済活動である.東京という都市では,この拡張拡大をというコンセプトに応答するように人口の再生産を目的とする戸建て住宅で埋め尽くしている.人口がピークを打ち,急激な人口の縮減期を迎える時にどのような都市が未来に構想され,その都市を構成する建築はいかようなものであるのか.
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