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この度、陣内秀信先生がANCSA(アンクサ、Associazione Nazionale dei Centri Storico Artistici、全国歴史芸術都市協会)のARGAN(アルガン)賞を受賞しました。 ANCSAは、歴史的都市の保存・再生のための活動を推進する最も権威のある全国組織として1960年に創立され、今日ではテリトーリオ(地域)まで範囲を広げ、重要な役割を果たしてきました。そのANCSAの新たな動きとして、2006年にARGAN賞が設立されました。 この賞は ANCSAの会長をつとめた偉大な美術史家ジュリオ・カルロ・アルガンを記念して設けられ、建築学や景観学の分野での科学的および文化的思考の道を切り開くのに大きく貢献した人物に授与されるものです。 ジャンカルロ・デ・カルロ(都市計画家・建築家)、カルロ・アイモニーノ(建築家)、ジャン=ルイ・コーアン(近代建築史家)に次ぐ4人目の受賞者です。 陣内先生は、イタリアで学んだ歴史都市の研究方法を日本に応用し、その異なる文化・社会状況のなかで、新たな方法としての「空間人類学」を生み出しました。それを日本以外の中国、イスラームなどに応用し、さらにその視点からイタリアを研究し直したことがイタリア本国で評価されました。ヴェネツィアおよびヴェネト、サルデーニャ、シチリアなどの研究です。 続いて、当時、イタリアで重要テーマとなっていたテリトーリオの研究に触発され、東京郊外、田園地域の研究・実践に取り組み、特に地形、歴史の古層、水に注目しながら「エコ・ヒストリー」、「水都学」の方法を考え出しました。そうしたテリトーリオに基づく研究をイタリア各地域(プーリア、アマルフィ海岸、オルチア川流域、ヴェネト周辺)で展開してきました。 この一連の研究成果が高く評価され、今回のARGAN賞の受賞となりました。
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