佐々木宏先生ご逝去


佐々木宏先生(元法政建築学科非常勤講師)が9月1日に逝去されました。享年87歳でした。

佐々木宏先生は1931 年、小樽市に生まれ、北海道大学卒業後、東京大学大学院に進学。在学中から海外の情報を広く集めて近代建築の研究と紹介に力を尽くしました。

特にアントニオ・サンテリーア、フーゴー・ヘーリンク、ハンス・シャロウンらあまり知られていなかった建築家を精力的に紹介し、『二十世紀の建築家たち』を刊行して近代建築の多様性を紹介しました。

ル・コルビュジエについては一貫して感心をもって研究し、『巨匠への憧憬』など執筆した本も多くあります。

1964年から法政大学で非常勤講師を勤め、「建築思潮」の講義を三十数年に渡って続けました。非常勤でありながらゼミを持ち、きめ細かな指導を行い、ゼミの出身者は亡くなる直前まで先生を囲んで交遊を続けていました。

執筆や講義のかたわら、精力的に設計を続け、住宅、病院、研究所、工場など手がけた建築作品も多数あります。

学閥に属さず、徒党を組まず、実務に裏付けられた独自の視点から繰り出す辛辣な批評は、多くの研究者を恐れさせました。

謹んでご冥福をお祈りしたいと思います。

 

佐々木宏先生最終講義録|『どうやって近代建築を学んできたか』私家版(2012)

日本建築学会「建築討論」インタビュー|「佐々木宏「真相」の戦後日本建築」(2017)

 

 

 

 

 

 

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