法政大学建築同窓会メルマガ

No.015   2011年06月24日発行
     
   


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□法政大学建築同窓会ニュース[Number015](2011年06月24日発行)
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東日本大震災で被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。
皆様の安全と被災地の一刻も早い復旧をお祈り申し上げます。
東日本大震災から3ヶ月半がたちました。
みなさま、いかがお過ごしでしょうか?
法政大学建築同窓会のメルマガ15号をお届けいたします。
すみずみまで、お楽しみください。http://www.hosei-archi-ob.sakura.ne.jp/
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目次
1.HOSEI 55/58年館Tシャツデザインコンテスト
2.杉山智之さん「家づくり展 〜静岡の建築仲間がつくる家」のご案内
3.リレー・エッセイ「地震と津波とあんず」(近藤 一郎)
4.編集後記
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1.HOSEI 55/58年館Tシャツデザインコンテスト
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HOSEI 55/58年館Tシャツデザインコンテストの審査結果が発表になりました。
http://www.55-58saisei.sakura.ne.jp/
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2.杉山智之さん「家づくり展 〜静岡の建築仲間がつくる家」のご案内
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杉山智之さん(96年修了・陣内研)が「家づくり展 〜静岡の建築仲間がつくる家」
(あゆみギャラリー 7/1-6)に出展いたします。http://asgym.eshizuoka.jp/e740100.html
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3.リレー・エッセイ
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「地震と津波とあんず」
1971年卒業 佐々木宏ゼミ 近藤 一郎
 友人からのあんず便りが届いた。「…あんずよ燃えよ」と高校時代に読んだ室生
犀星の詩を思い出しながら、これはと長野へ向かい、あんずの花にしっかと巡り会
えた。あんずの花を見るのも初めてながら、その花咲く時の短い事も心をそそった。
 山里の緩やかな斜面にかすみたなびく様に淡いピンクが流れ、近くに寄れば小枝
一杯にこれでもかと花が押合いへしあいし、その小枝が上へ上へと伸びてまるで
ブラシのごとく。つぼみの時は色濃く、次第に淡い色へと変わると聞いた。果樹畑
にあんずを植えるはもちろん、農家の庭先にも植わり、それこそ流れる花の中に
家並みがある風景、あんずを栽培する生活からの美しさだろうか。かすみのように
色々な想いが浮き上り、そしてうっすらと消えて行く。
 松代へ向かい、ここは格式高い城下町、城跡や武家屋敷が残る町に、細やかに
街を歩きたくなる設えのある気持ちのいい街であった。鋪道に埋込まれたピンコロ
石や武家屋敷に沿う水路脇の歩道は心地よく、とは言え、かつて松代群発地震が
起きた地。そして知ったのは、溯る164年前の弘化4年(1847)に善光寺地震と
呼ばれた大地震が起きていた事。マグニチュード7.4との推定とか、平穏な山里
ではなかった。3.11大地震の時にも長野県の北の方で誘発されての地震が起きて
いる。
 月が変わり、その地震被災地へ建物調査の機会を得た。出掛ける前の気になる事
がありながらも、南三陸町のはるか手前から津波の漂流物が川沿いに散乱する様を
見るや、あらゆる思いは消えてしまった。何もかもが一面の瓦礫と化した散乱。
何もない。青空の下に、異次元の世界に迷い込んだか、悪夢を見たかの一瞬も感じ、
手足をもぎ取られたようなぎくしゃくな感覚も覚えた。堂々と海ぎわに建つ「津波
避難建物」と壁に書かれたRCの共同住宅は、建物こそそのままが内装、家財は見事
に津波に剥ぎ取られたスケルトン状態、たまたま居合わせた住民は津波以来初めて
来たと、家の中には牡蠣が一杯で牡蠣の養殖場みたいだよ、食べられないけど、
と意外にも明るく、意表を突かれた。
 こんな時、我々はどんな手立てを持っているのだろうか、建築家として何ができる
のだろうか。途方に暮れる訳にはいかないし、かくも巨大な自然の脅威に立ち向う事
ができるのだろうか、そもそも脅威があったとしても、向き合って海と共に生きねば
ならぬはず。危険があってもそこに住む。今まで営々と住んで来た土地である。何も
かも奪われても、また最初から一つ一つ積み上げてつくるのだろうか。きめ細かに街
をつくる意思が根こそぎさらわれてもつくるのだろうか。次の世代に伝えるために。HPでは写真も掲載いたしております。
http://www.hosei-archi-ob.sakura.ne.jp/essay/essay.html
リレーエッセイは編集部から依頼するとともに随時募集もしております。
是非奮ってご応募下さい。詳細は下記アドレスからどうぞ。
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4.編集後記
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 東日本大震災により被災された皆様に謹んでお見舞い申し上げます。
 日々の甚大な被害状況を知るにつれ胸を痛めるばかりです。
 被災地が一日も早く復興し皆様の生活に無事平穏が訪れる事を心からお祈り申し
上げます。
 「ウォークラリー」「法匠展」「HOUSEI 55/58年館 Tシャツデサインコンテスト」
などなど、盛りだくさんなご報告。いかがでしたでしょうか。
多くの先達の志により、ながく継続きたものもあれば、つい数ヶ月前に立ち上げた企画も
あります。そこに共通するのは、すべからくオープンに開かれている姿だと思います。
現役学生から、各年齢のOB、先生方までまさに老若男女の気持ちがひとつのかたちに
なって行われているものばかりです。とくに被災以降、がらにもなく「根源的な問いに
対する自分自身の対応」などを考えてしまうのですが、これらの魅力的な活動に触れる
につけ、こういった多くの方々の気持ちのかよう行為の中にこそ、そのもやもやした問い
の答えがあるんじゃないか?などと感じ入る次第です。
本メルマガでは、みなさまからの発信を心待ちにしております。ぜひいろんな情報をお寄せ
ください。また、このメルマガや同窓会HPや「55/58年館 望む会」の活動のことなど
周囲の方々にお伝え下さい。暑気払いの季節です。よろしく、まいど、ごひいきに。
(編集後記担当:岡崎)
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