法政大学建築同窓会メルマガ

No.041

  2013年08月23日発行
     
   

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
□法政大学建築同窓会ニュース[Number041](2013年08月23日発行) 
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
東日本大震災で被災された皆様には、心からお見舞いを申し上げます。
皆様の安全と被災地の一刻も早い復旧をお祈りいたします。
驚異的な暑さを続けている今年の夏。とうとう41度の記録まで産まれてしまいました。
立秋も過ぎたと言うのに秋どころか夏の出口さえ見えてきません。早く虫の音響く秋に来てもらいたいものです。
さて、メルマガ41号をお届けいたします。
お仕事の合間のひと時をお付き合いいただけると幸いです。http://www.hosei-archi-ob.sakura.ne.jp/
----------------------------------------------------------------------
目次
1.女性ネットワーク梅若能学院会館見学会のご案内
2.川口衞先生の追加セミナーのご案内
3.「金田真聡のドイツ・ベルリン建築通信」第6号掲載「ベルリン中央駅にて」
4.リレー・エッセイ(北村和正)
5.編集後記
----------------------------------------------------------------------
1.女性ネットワーク梅若能学院会館見学会のご案内
----------------------------------------------------------------------
9月15日女性ネットワーク見学会として、大江宏先生設計の梅若能学院会館見学と、能鑑賞を行います。
女性会員に限らずどなたでも参加できますので、皆様ぜひご参加ください。
http://www.hosei-archi-ob.sakura.ne.jp/w_network/josei_umewaka.html?y=2013
----------------------------------------------------------------------
2.川口衞先生の追加セミナーのご案内
----------------------------------------------------------------------
9月11日(水)18:00よりA-ARCH.BLDG1階ギャラリーにおいて、川口衞先生の追加セミナーが行われます。
皆様お誘いわせの上ぜひご参加ください。
http://www.hosei-archi-ob.sakura.ne.jp/event/20130530/nama.html
http://www.bunka.go.jp/bijutsukan_hakubutsukan/shiryokan/
----------------------------------------------------------------------
3.「金田真聡のドイツ・ベルリン建築通信」第6号掲載「ベルリン中央駅にて」
----------------------------------------------------------------------
「金田真聡のドイツ・ベルリン通信」第6号が更新されました。
さわりだけ掲載いたします。続きはHPにて
「ベルリン中央駅にて」
7月のある朝、私はベルリン中央駅のホームにいた。時刻はまだ、5時を過ぎたところだ。大き な荷物を抱え電車に
乗り込む人、隣国から夜行列車でベルリンに着く人。駅はその街の顔であ り、そこを通過していく人々の、人間模様が
描かれる舞台である。
AM 5:00
 早朝、私が駅にいる理由は、来月ロッテルダムに引っ 越す友人を訪ね、ドイツ北西部の街、デュッセルドルフに行く
ためだ。彼とは大学時代からの付き合いで、 同じ研究室に住み込み、日々の設計課題や卒業設計に 打ち込んだ10年来の
友人だ。社会人になってからも、 ことある毎に海外への想いを話しあっていた私たちは、 偶然、勤務先も近かったため、
海外の設計事務所のリ サーチやポートフォリオの完成度を毎週チェックし合っ た。会社の昼休みに近くの公園で落ち合い、
下手くそ な英語でプレゼンテーションの練習をしていたことな ど、今となっては忘れ難い思い出だ。一人ではどうしても
行き詰まってしまう時に、信頼できる友人と切磋 琢磨してきたからこそ、今こうして二人ともドイツま で来ることが
できたのだろう。そして彼は次のチャン スを求めオランダのロッテルダムに旅立つ。お互いド イツに住んでいる身と
して会うのは、これが最後の機 会だろう。少し感傷に浸りながらそんな事を考えてい ると、ホームに真っ白な列車が
滑り込んできた。ドイツの新幹線ICE(Inter City Express)だ。
< つづく>
http://www.hosei-archi-ob.sakura.ne.jp/berlin/berlin_report.html----------------------------------------------------------------------
4.リレー・エッセイ
----------------------------------------------------------------------
「『コンパクトカメラから覗いた世界の建築』紀行 こぼれ話」
1983年修了 森田ゼミ 北村和正
その1:マルセイユのバス停
 私は、コルビュジェのユニテ・ダビダシオンを見るべくフランスのマルセイユを訪れた。中心街からメトロとバスを
乗り継いでユニテに着いた。折しも、その外周に足場を組んでメンテナンスの工事中であった。打ち放しコンクリートの
外壁の端部は、ボロボロと菓子のオコシのようになっていて経年変化が、著しかった。
 中に入ると、エントランスホールにフロントがあった。そこに座りこちらを見ていた管理人は、大柄のスキンヘッドの
黒人で、格闘家のボブ・サップのように見えた。
 恐る恐る「中を見てもよいか?」と尋ねたら、ボブ・サップは、「いいよ」と言い、笑って「屋上庭園に行くなら、
そっちのエレベータだ」と案内してくれた。
 途中階のメゾネット住戸に挟まれた中廊下を歩いていると、ひとつの扉が開き中から高齢の婦人が、現れた。うす暗い
中廊下に私を認めると、「ボンジョール!」と声をかけてきた。私もできないフランス語で「ぼ、ぼんじょーる!」と
返すとニコリと笑って歩いていった。
 その表情は、「私の住まいは、ステキでしょ!」と自慢しているようにも見え、ここに住んでいることに誇りさえ感じ
ているように見えた。
 築55年も経ち、かなり老朽化が進んでいるのにもかかわらず、いかにユニテ・ダビダシオンが居住者に愛されているか、
解体されず生き残っている理由がわかったように思えた。
 屋上庭園のほか、併設されている幼稚園、ホテルなどを見て周り、フロントのボブ・サップに礼を言い、ユニテを後にした。
 帰途に着くべく私は、敷地の前にあるバス停でバスを待つことにした。
 どっこいしょとベンチに腰をおろし、ふと目を上に向けた瞬間、私は「えっ!」と驚きの声を発した。
 なんとそのバス停の名は、「Le Corbusier」であったのだ!
 恐るべしコルビュジェ!ここまで人々に愛されていたとは!
その2:スイスフラン
 ロンドンで、ノーマン・フォスター、リチャード・ロジャーズ、ヘルツォ−ク&ムーロンを見て、帰国しようとしていた
時の事である。
 早朝、私はヒースロー空港に向かいスイスエアーのカウンターにチェック・インしようとしたが、スタッフ曰く、この
チケットは第4ターミナル発のフライトだと言う。第4ターミナルは、ひと駅先だからもう間に合わない!タイムアウト!
「Oh My God!」状態である。
 頭を抱えている私に、スイスエアーのスタッフは、私のチケット(格安航空券)とパソコンを睨みながら、しばらくして
「You are very lucky!」と私にチッケトを返してきた。私がいるターミナルから出発するチューリッヒ行きのフライトに
空きがあるので、それに搭乗すれば本来私が、搭乗すべきチューリッヒ経由成田行きのフライトに先んじてチューリッヒに
到着するので、今すぐにそれに搭乗すれば、成田に帰れるというものだった。まさに「I‘m very lucky!」である。
 おかげで私は、チューリッヒでゆっくりとビールを味わう時間をもつことができた。
 まさに、災い転じてなんとやらである。
 機中で、ポケットのつり銭をしまおうと紙幣を見ると、めがねを掛けたひとりの紳士の肖像に気づいた。紙幣を裏返すと
建物のファサードが、描かれている。
 よーく見ると外観を構成するルーバーは、見覚えのあるものだった。凝視するとそれは、チャンティガールであった。
ということは紙幣の表の紳士は・・・・・・
 ロイドメガネを掛け、蝶ネクタイを結び、髪をオールバックにした、その姿こそ巨匠ル・コルビュジェであった。
コルビュジェは、紙幣になっていた。近代建築の巨匠、ル・コルビュジェがスイスフランの紙幣に、である。
 丹下健三以降、国際的に活躍し、世界の建築をリードする日本人建築家たち。
 彼らが、日本の紙幣に登場する時代は、来るのだろうか?
 否、そのような時代が、来なくてはならないのだ。世界的に活躍する日本の建築家が、紙幣にその肖像が刷り込まれること
により、建築家の社会的評価が高まりひいては、近代建築の評価が高まることに繋がるであろう。その時、ようやく世界に
誇る日本の近代建築の重要性が、認知され保存の対象であると評価されるであろう。その時がやってくるまで、我われ、
「近代建築の目撃者たち」は、生き延び、その重要性を訴え続けなければならない。
その3:フィンランド、ユヴァスキュラのホテルウーマン
 学部、大学院を通じ私は、森田茂介先生に北欧建築をご指導いただいた。
 1982年、「百聞は、一見に如かず」と私は、ひとり北欧に向かった。
 モスクワ経由で、デンマークのコペンハーゲンに入り、スウェーデンのイェーテボリ、ストックホルム、そしてフィンランドの
ヘルシンキと旅を進め、さらに北上を続けユヴァスキュラにたどり着いた。9月も半ばにさしかかっていた北欧フィンランドの
避暑地は、ひと気もなく、うら悲しく冷たい風が、吹いているだけだった。この時期多くのホテルは、CLOSEDしていた。
脚を棒にして、私はなんとか小さなホテルを、見つけることができた。
 フロントでチェック・インしていると、白く塗られた木枠の大きな窓を通して、ひとつの建物が目に入った。「おやっ?」
どう見てもA・アールトのデザインである。しかし私が、調べた中には、ユヴァスキュラにあのようなアールト作品は、なかった。
しかし、どう見てもアールトである。私は、フロントの金髪の若い女性に尋ねた。
 「あの建物は?」
 「警察署よ」
 「警察署・・・・・・」
 私は、もう一度頭の中でアールトの作品集を、思い返したが、見当たらなかった。(しつこいが)あれはどうしてもアールト
である。
じっとその「警察署」を見ていた私に、その金髪のホテルウーマンが、続けた。
 「アールトの事務所の設計よ」
 「あーやっぱり!」という思いと同時に、こんな田舎の小さなホテルの従業員が、A・アールトの名を知っているとは!
確かにフィンランドでは、作曲家のシベリウスとアールトは、国民的英雄だと聞いてはいたが。
 日本であったらどうであろうか?日本を代表する建築家が、設計したホテルのフロントで、このホテルは、誰の設計かと問うて
みたら果たして答えが返ってくるだろうか?(意地悪な質問なので、未だ私は、試してはいない)

http://www.hosei-archi-ob.sakura.ne.jp/essay/essay.html
リレーエッセイは編集部から依頼するとともに随時募集もしております。
是非奮ってご応募下さい。詳細は下記アドレスからどうぞ。
----------------------------------------------------------------------
5.編集後記
----------------------------------------------------------------------
 東日本大震災により被災された皆様に謹んでお見舞い申し上げます。
 毎日の様な猛暑。30度を夜中になっても切らなくなると流石に寝苦しくエアコンのお世話になってしまいますね。
水分塩分計画的に摂取してなんとかやり過ごしていきましょう。
 お子様をお持ちの方は夏休みの課題などもそろそろ気になる頃ではないでしょうか。私の所も生物の課題にのために先日植物園に
行って参りました。目黒の国立科学博物館附属自然教育園。皆様には庭園美術館に隣接しているといえば分かりやすいでしょうか。
白金大地の武蔵野の自然を色濃く残した都心とは思えない緑地帯です。たまには都会の中の自然もいいものだと感じました。
 編集部では、法政大学及び卒業生に関する情報をお待ちしています。どのような情報でも結構ですので、
編集部までお送りください。
 又、メルマガへの購読登録をまだしていないお知り合いがいましたら是非ご購読を勧めて下さい。
 このメルマガを通して、建築学科卒業生の輪が広がることを望んでいます。

(編集後記担当:鈴木)
----------------------------------------------------------------------
□メルマガ購読・解除はコチラです。
 → http://www.hosei-archi-ob.sakura.ne.jp/mlmg/
□ご意見ご感想を頂ければ幸いです。
 → info@hosei-archi-ob.sakura.ne.jp
□法政大学建築同窓会ニュースは、『まぐまぐ』を利用して発行しています。
そのため、メールに「まぐまぐからのお知らせ」が掲載してある場合があります。
 法政大学建築同窓会ニュースに登録すると、『まぐまぐ』からのメールマガ
ジン「ウィークリーまぐまぐ」「まぐまぐニュース」が配信されます。
これらが不要の場合は、こちらから願います。
  http://www.mag2.com/wmag/
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
発行:法政大学建築同窓会メルマガ編集部
   http://www.hosei-archi-ob.sakura.ne.jp/
問合:info@hosei-archi-ob.sakura.ne.jp
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

 
[Mail Magazine Top]