大江宏賞について
大江宏賞は、1984年建築家大江宏先生の法政大学工学部建築学科教授退任にあたりその記念事業の一つとして、その折の拠金の一部を基に実施することになったものです。 2004年それまで拠金を管理してきた大江宏ゼミ会は、拠金のさらなる充実と運営の高度化を図るため広く同窓生有志に呼び掛け大江宏賞運営委員会を発足させました。 委員会は受賞対象者を大学院での研究を修士設計で修了する者とすることと決め、最優秀者に記念メダルを授与し副賞として30万円を贈与することとし、翌2005年漸く最初の大江宏賞受賞者を迎えることになりました。 以来毎年、建築学科の先生方も指導に力を入れていただきながら回を重ね、2019年3月には第15回の審査会を終えました。 審査は、修士設計に取り組む全学生のうち、学内の専任教員による選考を経て決定された候補者数名のプレゼンテーションに対して、学内外の実務家・研究者らで構成された審査委員会が公開の講評審査を行って授賞対象者を決定しています。 審査委員会は、修士設計の指導に当たられている大学院客員教授の先生に委員長をお願いし、そのほか学外の特別審査員3名と運営委員会選出の卒業生審査員3名の計7名よって構成されています。 建築学科学部卒業生の半数近くが大学院に進学するなか、ここ数年は毎年計画系院生の20数名が大江宏賞を目指すようになってきました。 彼らは学部生たちを制作作業に参入させながら、図面作製や模型制作に力を注ぎ、作品発表ではパワーポイントなどを駆使し、身体全体でのプレゼンテーションに挑むことになります。 予め建築学科教室で数名に絞られた学生諸君の作品発表は、多くの学部生や同窓会会員も見守るなか、各審査員からの発言だけでなく審査員間の白熱した議論の数々や発表者からの反論などが交錯する極めて刺激に富んだエキサイティングなものです。 こうした情況は、受賞者や選に漏れながらも頑張り抜き悔しい思いをした院生だけでなく、聞き入る学部生諸君たちにも大きな勇気と新たな建築家への意欲をもたらし、建築学科の発展に大いに寄与するものと期待されています。 大江宏賞運営委員会は、昨年来建築学科教室有志の先生方も会員となっていただき、卒業生委員と一体となり今後この賞をより意義のあるものに向け努力したいと考えております。
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