法政大学建築同窓会 法匠ミニセミナー その2 2010
「沖縄の暮らし」環境をデザインする

 

・住まいにみる沖縄の伝統民家の造形文化
・沖縄の民俗建築を継承する現代風の暮らし
・エコハウスを目指して沖縄の温熱環境改善

●2010年6月11日(金) 18:30~20:30

●法政大学デザイン工学部市ヶ谷田町校舎T314教室

●入場無料

●講師
朴 賛弼 (Park Chanpil)
法政大学建築学科助手 民家研究家 建築環境工学専攻 日本民俗建築学会理事(副事務局長)
著書:『よみがえる古民家』 『図説民俗建築大事典』
『写真でみる民家大事典』 いずれも共著 柏書房
http://www.k.hosei.ac.jp/park

   
「沖縄の暮らし」- 環境をデザインする-
   

 沖縄は島暮らしの伝統が生きる家がたくさん残っています。そこにはその地域の文化や歴史などを含めたすべての暮らしの生き方があります。本セミナーでは沖縄における伝統民家について自然人文環境および環境工学から見た内容で話します。また、沖縄ではRC造建物が多く、温熱環境を劣悪なものにしています。沖縄で実際に行われた温熱環境改善について説明します。沖縄の伝統民家はパッシブ的な自然エネルギーを主にしたエコハウスであったことや現在に必要な温熱環境改善と現代暮らしをリンクさせながら進行させたいです。

沖縄民俗村
竹富島の海
第1章住まいにみる沖縄の伝統民家の造形文化
 沖縄は長い歴史の中で独特の集住文化を形成してきた。固有の空間性、形態要素などが歴然とするのは民家建築の特性であります。その特性を決定づける要因は、自然人文環境要素といえます。内容は伝統民家の住居空間構成の概念、外部空間構成、内部空間構成などを説明します。
 
ヒンプン
シーサー
第2章 沖縄の民俗建築を継承する現代風の暮らし
 沖縄の島々に伝わる住まいの知恵と現代技術の調和によって快適で頑強な住まいを実現した家を紹介します。三井不動産PR誌の「こんにちは」(vol.288、2008年2月号p2〜11)に寄稿した内容を中心とします。沖縄の宜野湾市にある「木と風の家」、那覇市の「置き屋根と高床式の現代風の家」、竹富島の伝統民家の中で現代風の暮らしを説明します。
 
三井不動産PR誌「こんにちは」
竹富島
第3章 エコハウスを目指して沖縄の温熱環境改善
 今までの長い実検研究成果を踏まえて、日射遮熱によって実験対象の室内温熱環境をどの程度改善できるかを実験によって明らかにしたことを説明します。本研究の結果による室内環境の改善が実証されることにより、冷房機器の使用にかかるエネルギー量の節約や二酸化炭素の削減へとつながります。地球環境の改善が叫ばれ、各国、各地域で省エネ化の動きが進んでいる現代社会において、電力量の省エネ化は環境改善対策の1つモデルとして広く提案していくことを目的としています。
 
実験の様子(沖縄県糸満市)
屋上緑化実験
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