法政大学建築同窓会に関連するニュースです。
卒業生の近況も掲載します。事務局までニュースをお寄せください。

2009.11.25

11月20日(金)デザイン工学部市谷田町校舎にて、法匠ミニセミナー「民家は暮らしの博物館」が、朴賛弼先生を講師に迎えて行われました。

第1章では、韓国の伝統的な集落と民家のの構成を地理、気候、風土、そして風水を中心とした韓国独特の文化を通して説明がありました。
第2章では、オンドルと、伝統的な建具の使用による、温熱環境を現地での実測観測のデータを交えて、わかりやすく説明してもらいました。
第3章では、ソウル市内の、伝統家屋を伝承した、新しい住宅の紹介と、エコハウスとしての新しい暮らしについての紹介がありました。

セミナーの最後に、質疑応答の時間があり、韓国における伝統集落の保存の問題、日本の民家との違いなどについて、出席者から熱心な質問があり、大変充実した、熱の入ったセミナーとなりました。

ミニセミナー「民家は暮らしの博物館」、パンフレットより

われわれの暮らしは何だろう。最近都会の暮らしはどこへ行っても同じように感じる。もちろん、便利で楽な暮らしになっているのは事実である。しかし、今の暮らしの以前には先祖たちが長い歳月を経験しながら造ってきた暮らしの知恵があった。そこにはその地域の文化や歴史、魂などを含めたすべての暮らしの生き方があったのである。それが民家であり、暮らしの博物館である。また、古民家はパッシブ的な自然エネルギを主にしたエコハウスであった。
本セミナーでは韓国における伝統集落や民家について自然人文環境および環境工学から見た内容で話したい。内容は次の通りである。

第1章 韓国における伝統集住空間

韓国は長い歴史の中で独特の集住文化を形成してきた。固有の空間性、形態要素などが歴然とするのは民家建築の特性である。その特性を決定づける要因は、自然人文環境要素といえる。

1.集落
2.住居

第2章 伝統民家におけるオンドル部屋・マルの温熱・風環境実測

韓国の伝統的住居では、オンドル部屋、マル(板の間)という空間は季節に対応しながら有効な冷暖房利用方法があった。その快適な空間が作られたことを実測調査によりエコハウスであることを明らかにする。

1. 夏の実測
2. 冬の実測

第3章 伝統的民俗建築を継承する現代風の暮らし

〜ソウル北村を中心に〜

伝統住宅がだんだん減っていく中で、自分の世代に伝統家屋を1軒でも守り、そこで伝統的な暮らしを経験しながら子供に繋がってほしいという家族がいる。現実的な現代風にも融合させながら良いところを生かして暮らし方を紹介する。

1. 伝統家屋を生かした暮らし
2. 伝統家屋を継承したエコハウス 

2009.11.9

11月2日から4日にかけて、済州島集落・民家視察及び執行部定期会議を韓国の済州島(チェジュ島)で行いました。
岡本同窓会会長以下7名が参加して、朴賛弼
さんの案内で、石文化公園、城邑民族村などを訪れ、済州島の文化と伝統に触れることが出来ました。

第1日目 :山地川(サンジチョン),復元後の川を見る。                        川の上に残る市場

第2日目午前 :石文化公園

第2日目午後 :城邑民族村

第3日目 :西帰浦の町と、山の麓の民家、仏教寺院を訪ねる。

2009.10.1

9月19日(土)から26日(土)にかけて、法政大学大学院デザイン工学研究科開設記念の行事として、エンジニアリング&デザインウイーク2009年「フトゥリズモ−未来派のデザイン」が開催されました。

9月19日には外濠校舎サッタホールにおいて、オープニングセレモニーが行われました。デザイン工学研究科科長、吉田長行先生の記念講演は、日本のこの100年間の建築のデザイン、技術の歩みと、地震工学、建築構造力学の変遷を語られ、最後に明治以降の日本の文化、技術の進展を夏目漱石の言葉を通してまとめられた、興味深いものでした。
今回のイベントのコーディネーターである陣内秀信先生からは、近年の日本、東アジアの主要都市の急激な変化と、それに対する建築家、デザイナーのアプローチは、丁度100年前のイタリア未来派のアプローチと非常に似ている、ワークショップを通して、未来派の歴史的、文化的な意義、日本や東アジアにへの影響を見極めると共に、現代東アジアにおける未来都市像へのアプローチについて分析、議論して、新しいパースペクティブを導き出したいという、開会宣言が行われました。
その後で、オープニングパーティーがあり、参加者の間で意見の交換が行われました。

9月20日に市ヶ谷田町校舎マルチメディアホールにて、都市環境工学専攻主催の対談「時空を跳躍するまなざし―都市環境デザインの新感覚」が開催されました。
大和絵の技法を使って、現代都市の鳥瞰図を描くなど独特な描写で知られる画家の山口晃氏と景観デザインの第一人者である早稲田大学教授、佐々木葉氏の対談です。

9月23日はシステムデザイン専攻主催による「スタンフォード大学Dスクール―イノベーションを生み出すデザイン教育」と題されて、スタンフォード大学デザイン研究所教授、Bernie Roth氏の講演が行われました。

9月26日には建築学専攻主催で「未来都市ヴィジョンの100年―イタリア未来派から日本、東アジアの現在まで」と題され、国内の大学に加えて、フィレンツェ大学からも教授を招聘して、ワークショップが行われました。
参加者は以下の通り

ミルヴァ・ジャコメッリ(フレンツェ大学教授)
エツィオ・ゴドリ(フレンツェ大学教授)
鵜沢隆(筑波大学教授)
八束はじめ(芝浦工業大学教授)
高村雅彦(法政大学教授)
岡田哲史(千葉大学准教授)
横手義洋(東京大学助教)
北川佳子(早稲田大学講師)
奥田耕一郎(早稲田大学助教)
ラファエレ・ペルニーチェ(法政大学外国人特別研究員)
シルヴィオ・ヴィタ(イタリア東方学研究所所長)
陣内秀信(法政大学教授)

今回のイベントのプログラム、及び講演、パーティーの様子はこちらで見られます。