現在、竹橋の近代美術館にて「建築はどこにあるの?」という建築展が開かれています。
具体な建築物を写真や模型で展示する建築展ではなく、新作インスタレーションによって建築のイメージを提示する内容です。詳しくはHPの概要に端的に説明されています。出展しているのは40年代から70年代生まれの7組の建築家です。
その7人の中に、法政大学OBで現在母校で教鞭をとられている中村竜治さんがいます。(けっして饒舌ではない人となりに呼応しているかのように、最終学歴である芸大院卒しか図録の経歴にも紹介されていません。掲載インタビューも一番短い(^-^)。) 彼の「とうもろこし畑」(写真)という作品は、いつまでも見飽きないとても魅力的なインスタレーションです。7つの作品のなかでもとくに印象深いものとなっています。
無垢なる問いとも痛烈な批評ともとれる「建築はどこにあるの?」というテーマのもと、見る側もいっしょになって思考をめぐらせる、またとない機会を与えてくれる展覧会だと思います。フラッシュなしであれば自由に写真を撮ることがでるのも、見る側の参加を促す、たのしい仕掛けのようです。巨匠回顧展ではない建築展が公立美術館で企画されることもジツはめずらしいことです。あと1ヶ月ほどの期間ですが、あしをはこんでみてください。
(岡崎浩司 87年修了) |