no.178

膨れ上がった思い出の味
2025年4月  

城倉 英二(1987年卒業 倉田ゼミ(設計)/宮宇地ゼミ(論文))


大学、学部卒業時の春、ヨーロッパに建築行脚...というか、楽しい卒業旅行ですな、にでた。

スペインに行った時、昼飯はスタンドカフェのようなところに頻繁に行った。スタンドカフェ&バーが正解かな。
カウンターに食品用のバットや大皿が幾つも並び、自慢の料理が並んでいる。
気になるモノを指さし、好きなだけチョイスして食べられるわけだ。

それとパン屋さんによく立ち寄りした。パン屋に必ず売ってるのが小さなバケットに生ハム1枚挟んだだけの、カスクートと言う食べ物。
見かけ、これ以上シンプルな食べ物はないのだが、どのパン屋でも売っている、人気商品らしかった。
気楽に食べられるし、日本のサンドイッチに慣れている自分にとってそれほど魅力的ではないはずなのだが、興味が尽きず食べてみた。
マジうまし。
あまりの美味さにびっくり、その後カスクートばかり食べていた。

スペイン生ハムの旨さ半端じゃなかった。
絶妙の塩加減だった。
日本に帰ってきて、それなりのパン屋を狙って行ったのだが、カスクートと言いつつ、パンこそバケットだが、普通のサンドイッチのように何でもかんでもかんでも挟まってるのだ。当時スペインを売りにしたパン屋が無かったからか?
挟まっている、ハム、レタス、トマト、、、を見て『お前田舎もんだなぁ』と思っていたのだが、ある時ふと思い立ち、カスクートを調べてみると、俺ほうが間違ってるし(笑)。

カスクートとは広くは軽食とも訳されるようです。
パンの世界では、簡単なサンドイッチを指しているようです。
それらの総称、なんでもアリアリでした。

スペインで食べたカスクートよりおいしいものにどうしても出会えない。
自分でバケットに生ハムを挟んだことあるのだが、違うんだよね。
生ハムはまだ高いものを購入すればそれなりのものは手に入るけど、パン生地の違いは決定的のようですね。知り合いの話だと、生地に塩が入ってるよと言われた。

幻の生ハム1枚サンドのカスクート、食べたい。





 

cut-jamon

カスクート

 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
[プロフィール]    
 
城倉 英二 1987年卒業 倉田ゼミ(設計)/宮宇地ゼミ(論文)

   
2つの設計事務所を経て、白江建築研究所勤務
2003年 J.M.M.建築計画事務所を白江事務所で出会ったメンバーと開設
     テナントビル、集合住宅、住宅等の設計を行う。
     http://www.jmm.ne.jp/