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色に関わる仕事を始めてから色について振り返る機会になりました。学生時代の伏線回収になるか、色について興味を持っていただければ嬉しいです。 興味の原点は大学時代の佐々木宏先生の講義の中にありました。鮮明に覚えているのは1937年パリ万博日本館についての話です。日本館に採用された色が歌舞伎の定式幕の黒・柿色・萌葱色であったことを力つよく説明していただいたことが印象的でした。スロープを上がって室内に入ったところに配置されたと記憶しています。20世紀前半、東洋の小さな島国を紹介する建築で日本らしさが色に込められていたことを熱く講義していただいたのだと思っております。文化を伝える役割としての色のエピソードでした。 現在海外の塗料メーカーの総代理店で働いています。興味が講じているといっても過言ではありません。色単体、複数色の組合せ、配置で空間の広がりを感じていただけるよう提案をさせていただく機会もあり、色彩のもつ魅力をごっそり盛り込んでおります。造園の設計をしていた時代から変わらないのは“さもそこにあったかのように”つくりあげていくことです。色でも実は実現することができます。「ナチュラルカラーハーモニー」という自然を感じる配色がその1つです。自然光の下の植物は光が当たっているところの葉が黄みに寄って見え、陰っている部分は青みに寄って見える。アメリカの自然科学者であるルードが考察した色相の自然連鎖によるもので、複数の色の場合でも色同士が馴染み、とても落ち着く配色になります。写真@A そして普段の色相談で役に立つのは心理学的な効果です。色は光という情報で目から無意識に侵入してくるもので、感情や記憶を想起することもあります。そして意図的に集中、リラックス、心地よさを付加することもできます。国立競技場のトラック。以前は赤でしたが現在は青。赤は血流を促し興奮状態に、青は呼吸を整え鎮静状態にする色と言われています。色が波長として人に与える影響によるものです。そして、この仕事に携わるようになって思いもよらなかったのが潜在的な色の好み、育った地域が影響しているということです。※写真B 育った環境の日照時間や気温や湿度は色の好みの参考として考慮することもあります。そして地域によって美しく見える色があることに気づくきっかけになったのが旅先でのカラーハンティングです。旅行先で美しい色の記録を残そうと仕事柄持ち歩いている色見本との写真。続けているうちに訪れる土地の気候によって光の質が変わり色の見え方を左右しているとこの発見につながりました。それは相談をいただく際にも役立っています。※写真CDE
最後に、学生時代に興味をもった近代建築と色彩に関わらせていただく機会を昨年末にいただきました。歴史的建築の色の再現です。どうしてこの色が選ばれたのかは未解決ではありますが、設計された形態、空間にまとった色を調べていくことで設計者の思いに繋がるかもしれないという新たな興味が生まれた機会でした。※写真F |
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