no.027 「法匠展に展示したシェアハウスの話・・実は」
     1967年卒業 森田ゼミ 茂呂 肇
   
 

  自邸をシェアハウスとして開放してみようと決心したのは、6人家族の生活の場が気がついてみたら女房と二人になっていた。
 使用していない部屋が生かされていない!
 そこに東日本大震災が起き、仙台から友人の会社の社員を4人(未婚の男女)を受け入れ共同生活が始まったのです。
 焼酎+マッコリ+ビールの空きビンの山、コンビニ弁当のプラスチック容器。半分やけで、でも生活を楽しんでいる事が感じ取れたのです。数ヶ月後、避難されてきた人達も地元に半分戻り、残りは東京本社の近くに移って行ったのです。

 そうだ。築15年のこの家も人の為になる様にとの考えひとつで、住人も敷地内植物も生き生きと見えてくるものだな〜との思いから、思い切って女性専用のシェアハウスにとConceptとコミュニティーのあり方の方向付を明確にし立ち上げたのです。
 今、7人が時々ホームパーティー等で料理の腕をふるい、美味しい時間も共有し、ゴミも分別し、自分たちでルールも決め生活しているのです。
 この家を彼女たちにあげたい気持ちなのです。

 近くのマンションから時々女房と自転車に乗って来て、植木の手入れと、焼きたてのパンを届けシェアしている彼女たちと楽しそうに話している70歳位の男性(それは私だ)の姿を、近所の人たちはときどき見かけるのだそうです。
 あと10年は続けてみたい!!

 10年後には・・・・

 住人も変わり、その時は介護施設になっているのかな?
 又、その時法匠展でサギノミヤハウスのパネル展示ができたら面白いのだか、そりゃ無理だよ!!

 建築家が一番必要とされているものが何なのか・・
 考える機会を与えてくれたものもシェアハウス、若い時に“力”(リキ)を入れて設計しておいて良かったと多少思わせてくれたのもシェアハウス。
 又、報告を楽しみに・・では!

 

 
 
 
[プロフィール]    
茂呂 肇
   1967年卒業 森田ゼミ
   
法大建築学科卒業
ポピュラー音楽に親しむ
入江三宅設計事務所
森ビル、学校、共同住宅の設計・監理
 
テンポのあるジャズを好む
モロ建築設計事務所
農協の倉庫、駅舎、事務所、パチンコ店、海外の鉄道駅の設計・監理
 
ブルース+演歌を好む
現在70歳
地下鉄の浅草駅を拾数年前に手掛け、浅草雷門の朱色を駅の列柱(丸柱)に施した事を神谷バーで(電気ブラン)を飲みながら思い出し、その懐かしさからか
 
浅草オペラ時代の音楽を嗜む