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この3月に母校の教育技術員の仕事を終えて、このごろ実家で過ごすことが多くなりました。生まれ育った神奈川県藤沢市は東京から電車で1時間、戦前からのベットタウン。とりわけ華やかな街でもなく、気候は温暖、住民の気質はのんびりだとか。常に風が吹いているのが特徴かも。
学生時代、最初の頃は学校の課題のネタは地元で探していて、自分の足で見つけた気になる建築が二つほどありました。一つは、県立体育センター敷地内のあまり活用されていない洋館で、設計製図の先生方に「有名な建築家のものかもしれない」とお話した記憶があるのですが、当時はわからないままでした。昨年「藤沢市30日美術館」企画で「アントニン・レーモンドと遠藤新」展があり、レーモンド設計のかつてのゴルフ場のクラブハウスだと分かり、十数年ぶりに謎が解決しました。積極的な活用はこれからだそうです。
あと、もう一つは、ライトの弟子である遠藤新設計の「旧近藤邸」で、こちらは80年代に図書館・体育館と隣接する市民会館敷地内に既に移築されており、道すがらこの小住宅を知っている人は多いと思います。もともとは辻堂の海辺の松林に震災直後の大正14年に実業家の近藤賢二の別荘として建てられ、「水平性を重視した設計で、南風が北へそのまま抜ける快適な家でした」、との解説は昨年の国登録文化財10周年記念イベントより。
公開日以外は中に入れなかったのですが、最近レストランとしてランチが食べられるようになった!ので、早速行ってみました。中庭の藤のパーゴラのつくる静かな佇まいの中でお昼ご飯を食べ、その後2階の部屋も自由に見せていただきました。近所の散歩ついでにランチで文化財を気軽に体感できて、ちょっと機嫌の良い午後が過ごせそうです。
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