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10数年前のイタリア・フィレンツェ在住時、一緒に仕事をした造園事務所Piante
Mati(ピアンテマーティ)と現在も情報交換を続けています。ピアンテマーティのあるピストイアはフィレンツェから車で1時間弱、歴史ある街ですが、造園畑の多さで有名な場所でもあります。関東圏で言えば、千葉の八街や八日市場、埼玉の川口方面のイメージでしょうか? 私はここでピアンテマーティと出会い、大変興味を持ちました。 ピアンテマーティの特徴は情報発信型というところにあります。100年以上前に苗木1本からスタートしたナーサリーは家族経営と思えない80haもの畑面積を所有し、品種改良を重ねた独自の樹種、灌水システムの研究、オリジナル根鉢の工夫など世の中に発信しています。建築家や設計者が直接訪れアドバイスを受けたり、デザインに合った植栽計画を提案もします。設計者の決めた樹種や植物を提供するだけではなく一緒に検討し、その場で植物を見せてくれる利点が強みです。デザイナーも常勤しているので、トータルの提案やスケッチ、パースなどもOK。さらに一般のお客様も大歓迎の畑、いつでも自由に訪れることが可能です。ここは地域の人々に根付いた何でも出来る造園屋さんなのです。 年に一度、収穫祭の時期には200人近くの顧客、知人、友人を招待してクライアントパーティを開催しています。旧交を温め、畑の中を案内、トスカーナの実りを調理してランチを振舞います。そんな発信型ナーサリーが今度は植物を直接触れながら勉強できる専門学校とトスカーナの食文化を伝えるレストランをスタートしました。学校は植物の好きな人ならプロアマ問わず誰でも参加できます。ほぼボランティアというのも驚きです。レストランの味はもちろんハイレベル、素材の良さをふんだんに生かしたメニューばかり。週末にはキッズイベントを開催しています。こういう職業があることを知って興味を持ってほしいと願うからだそうです。造園を学ぶ学生の見学ツアーも受け入れています。 これから子供の遊び場などの整備も考えているよう・・・どんどん進化中のナーサリー、これからも楽しみです。
日本の造園畑は「イチゲンサンお断り」の雰囲気がまだまだ多い印象です。こういうナーサリーがあると楽しいのですが〜!
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