|
||||||||||||||||||||||||||||
|
||||||||||||||||||||||||||||
昨夏、何十年ぶりに訪れたミラノは変貌を遂げていました。もちろん歴史的建造物のある中心部は壮大なスケールのまま存在感たっぷりで鎮座しているのですが、その周辺では再開発が進んでいて、かなりモダンな印象になっています。その中でも世界中の建築家が注目する高層レジデンス「垂直の森」を見学させて頂きました。18階、26階のツインレジデンスの現時点の入居率は約80%、外国人が多くを占めています。最初の植栽工事から4年、入居から2年が経ちました。 このレジデンスはバルコニーまでが分譲(賃貸も)となっており、植栽桝と中の樹々や植物はレジデンスオーナーの持ち物です。メンテナンスも一括管理の中で成長する樹種、淘汰されて朽ちる樹種など記録を取り、植替えや剪定など定期的に行っています。また屋上の太陽光発電による自動灌水装置で水やり、機械室の制御装置でプログラム管理を行っています。状況により変更したり、問題点を修正しながら実験数値を記録しています。植物には虫や鳥もつきもので、入居者の中には最初は嫌がる人もいたそうですが、風景だけでなく、温度調節などの緑の効果を理解し、快適に暮らしているようです。特に夏の涼しさ効果は抜群です!私も夏の暑い日に実際にお部屋を見せて頂いて実感しました。
植栽計画及びコンサルを担当したLaura Gatti氏に話を聞きました。 現時点で高木の倒壊もなく、植物も豊かに成長しています。Laura氏は日々レジデンス内の共用部を回って、植物の生育状況や自動灌水のチェックなどを自分の目で確かめています。剪定作業は屋上から職人さんが綱をつけて手作業で行いますが、その様子からNingia(忍者)と呼ばれているようです。施工時には年単位でのメンテナンス計画も契約に含まれていました。造って終わりではない状況がとても大事だと感じています。5年後10年後の姿がとても楽しみです。
|
|
|||||||||||||||||||||||||||
|
||||||||||||||||||||||||||||
[ essay
top ] |